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【4JC】四国ジャグリングコミュニティMeet-up1に参加。濃厚な一日だった!前編

どうも、お坊さん大道芸人のとっしゃん(@tossyan753)です。

2024年2月12日に四国ジャグリングコミュニティ(4JC)のMeet-upが行われました。

↑4JCのチラシ

meet-upというのは、共通の目的がある人が集まる交流会のようなものだそうです。

なので、話すのはもちろんジャグリングに関する事!

パネラーはほとんどジャグラー、聴衆はほぼ全員ジャグラーというような感じでした笑

大きく4つのテーマについてトークしたのですが、どの回も非常に良かった!

それでは詳しく見ていきましょう。

はじめに:ジャグリングのイメージのズレ

まずは主催の松葉川くんがオンラインのジャグリング教室のお話から始まりました。

このジャグリングのオンラインレッスンや、地元のジャグリングの体験会などで、保護者の方にジャグリングに対するイメージを聞いてみたらしいです。

そこで、以下のような意見が出てきました。

一般の方からのジャグリングのイメージ
  • 一般的なサーカス
  • 大道芸人
  • 4B(バンドマン、美容師、バーテンダー、舞台俳優)など付き合うと苦労する人

要は、エンターテイメントの一つのジャンルという認識が大きく、仕事として見ると不安定(に感じる)な職業。

ジャグリングにはそんなイメージがあるのでしょう。

一方、ジャグラーが考えるジャグリングのイメージはどういうものか。

松葉川くんのスライドでは以下のようなものがありました。

ジャグラーからのジャグリングのイメージ
  • 現代サーカス
  • 大学サークル
  • 理系が多い

これは個人的にも納得できます。

僕が考えるジャグリングって数学的なイメージ、ピタゴラ装置的な気持ちよさがある運動だと思っています。

あとはやっぱり大学でジャグリングに出会った人も多いですよね。

この辺りがジャグラーが考えるジャグリングのイメージです。

子供を大道芸人にしたいか?

こういった認識のズレがあるので、いざ普及したいと思ってもジャグリングの良さがあまり伝わらないです。

レッスンをする側の願いとしては、「ジャグリングを趣味として取り組んだり、なにか自信を持つ体験が出来たり、子供がジャグリングを通じてひとつでも成長してほしい」という思いで取り組んでいます。

ですが保護者側からすると、子供の習い事でジャグリングをするというのは、将来サーカスのお人や大道芸人にさせるというところに結びついてしまうのかなと。

そして教える側も「ちゃんと技術がありまっせ!」というのを分かりやすくアピールするために、やっぱり教室のチラシやパンフレットにのせる肩書はパフォーマーとか大道芸人になってしまうという…。

そういう連鎖で、余計にエンターテイメント方向のイメージを強めてしまうんでしょうね。

いわゆるサーカスや大道芸だけではないジャグリングの魅力ってたくさんあるのですが、そういったものはあまり一般の方には伝わっていないのが現状です。

こういったイメージのズレを言語化したり、ジャグリングってこういう側面があるよね、みたいな事を話し合うのがこのMeet-upの役割なのかなと僕は思いました。

1コマ目:ジャグリング競技の向かう先は?

さて、そんな前置きを踏まえてですが、1コマ目は「ジャグリング競技の向かう先は?」というテーマでお話をしました。

日本大会(JJF)のチャンピオンの小林智裕さんや、

学生大会の立ち上げに関わった山下耕平さん、

社会人になってから大会に挑む人というポジションで話すやぐらくん。

↑左から小林智裕さん、山下耕平さん、やぐらくん

という感じで、各々の視点からジャグリング競技の歴史や今後について話し合いました。

↑モデレーターのShotaくん

ジャグリングの競技会は観客もジャグラー

まず、この話をする上で抑えておきたいのは、ジャグリングの競技会は観客、審査員もジャグラーだという事。

一般の方が見るショー(サーカスや路上で見る大道芸など)は、難度を落として失敗しない安定したショーをやるのが普通です。

一方、ジャグリングの大会はそうではなく、同業者も納得するような難易度の技や、新たな発想を加えた技をしっかり練習して演目を行います。

例えば、7個のボールを投げるだけで終わるのがショーだとしたら、そこからさらに7個でもバンバン技をやるのが競技会といったところでしょうか。

もちろんこういった例以外にも、めちゃくちゃマニアックな技をやったり、高難度の技をつなげたりなど、厳しい練習の成果をだすのが競技会です。

競技会のハードルが高すぎた

ちなみに僕は競技会の出場経験がありません。

学生の頃はJJF(ジャパンジャグリングフェスティバル)というイベントで毎年日本一を決めていたのですが、そこはレベルが高すぎて参加できなかったんです。

それ以外には大会がなく、練習をしても技術を発揮する発表の場がない。

JJFはレベルが高すぎるが、ジャグリングの大会は欲しい。

そこで、関西の学生大会を立ち上げたのが山下さん。

↑マイクを持っているのが山下耕平さん

以後、関西学生大会は現在まで続き、学生ジャグラーの目標の一つになっています。

そこからは日本全国で色んな大会が開催され、学生大会、道具を限定した大会など、バリエーションに富んだ競技会がたくさん開かれるようになりました。

競技会で全体の技術は上がった

競技会の存在意義は、プレイヤーの技術が向上するというところにあるのかなと。

審査員、観客もジャグラーなので、上位入賞をするには難度の高い技を安定させる、今までにない発想で勝負するなど、練習や工夫が必要になります。

また、審査員も勤めた小林さんは、審査基準として「個別の技が他の道具などの発展にもつながるか」という審査基準を持っているのも面白かったですね。

競技会に向けて高めた技術が、また周りのジャグラーへの影響を与えて、ジャグリング界は進歩してきた。

そういった歴史を感じるトークセッションでした。

↑小林智裕さん

Meet-upの最後は「今後はどんな競技会をしたいか?」というテーマで、今までとは違った発想のルールの競技会も増えていくと面白いかもというようなアイディアもみんなで話し合いました。

↑みんなが同じ技をやる大会が見たいというやぐらくん

大会に出ると決めて練習してからは、人前でやるショーの技の安定度も上がったというやぐらくんの話も面白かったですね。

大会、出ても良いかもしれん。

健康とジャグリングの接点を探る

お昼からは、健康とジャグリングの接点を探るというテーマでお話。

「ジャグリングって脳に良さそう、なんか健康に良さそう、けどそれって本当に?研究結果もあまりないよね〜」みたいなところからスタートした企画です。

このセクションは、個人的にも一番興味がありまして、パネラーのお二人は、僕の友達を呼ばせていただきました。

↑左から藤村保志花さん、渡辺大くん、安部武矩くん

渡辺大くんは香川県で精神科医をしながら、ゲーム制作グループ讃岐GameNの代表をしています。

安部武矩たけのりくんは一般社団法人香川県運動推進協会の指導者や、子供向けのたけのこ体育教室で指導を行っている運動のプロです。

精神科医や身体のスペシャリストを交えてジャグリングを改めて考えてみようというセッションです。

今回のMee-upでは、ジャグリングと普段関わっていない方を交えたお話だったのですが、このお二人を呼んで本当に良かった!

改めてジャグリングを言語化できたり、新たな発想ができるお話になりました。

ジャグリングのイメージって?

まずは、ジャグラーではないお二人に、ジャグリングのイメージを聞いてみるところからスタート。

これ、ジャグリングやっている人ほど一言で語るのは難しいんですよ。

どんどん考えが深まって「ジャグリングって何だ?」と問いが止まらず、突き詰めると「世界はジャグリングなんじゃないか?」みたいなところまで発想が広がってしまい、結局「無限の可能性があるもの!」みたいなアホっぽい答えを出してしまう。

なので、まずは普通の人のジャグリングのイメージを聞きたいと思っていたので、運営側で冒頭から「ジャグリングのイメージってどんなのですか?」という質問はしようと決めていました。

そこでお二人から出たのは「パッと見て凄さが分かる、その場の雰囲気を一瞬で変えるもの」という答え。

な、なるほど〜!!

↑渡辺大くん

「ボールは誰でも触った経験があるから、いくつも投げている凄さが分かるし、パッと見てそれがすぐに伝わる」と。

これは会場にいた人も腑に落ちたって感じた人多かったんじゃないですかね?

特に、渡辺くんはゲーム畑の人でもあります。

ゲーム開発者からの視点で言うと、ゲームってパッと見て伝わるがやりにくいジャンルだと。

確かにゲームってルールが分からないと何やっているか分からないですもんね。

例えば、下の写真は僕が最近遊んだボードゲームなんですけど…

↑最近遊んだゲーム「ツォルキン」

これ、写真を見ただけで何がどうなっているか分からないですよね。

でも、ジャグリングは見ただけで伝わる。

僕は渡辺くんのイベント「Sanuki X Game2023」でDJに合わせてジャグリングをちょっとだけやったのですが、その時にも「一瞬でお客さんの目を引いていた」という風に言ってもらえました。

↑この動画の1:36ぐらいからちょっと出てます

「すぐに凄さが伝わり、その場の空気を変える」

ジャグリングの持つ特徴がうまく言語化されたかなと思います。

個の健康と集団の健康

そこから話は、個の健康と集団の健康みたいなテーマに移り変わります。

まずは個の健康として、こういう効果がありそうだとはという話のときに、安部くんの言っていた巧緻性こうちせいという言葉がジャグリングを語るキーワードになりそうです。

↑左右で違う動きをする1コマ。ジャグラーこういうの好き。

巧緻性とは、手先や指先をうまく使うことや、スポーツにおいて体を巧みに動かすことを指します。

上手に道具を扱える能力と言い変えられるかもしれません。

確かにジャグリングは道具によっては回転数を調整しながら投げるので、巧緻性を育てるには良さそう。

後は、筋トレとして見たときには、ジャグリングはちょっと弱い。

スクワットのような動きが良いと。

これはシガーボックスの出番ですな。

「楽しいスクワット」でプログラムを組めば、エクササイズ業界にもいけるかも。

集団の健康 ジャグリングのコミュニティって特殊?

個の健康に対して、次は精神面での健康というお話になるかと思っていましたが、話は集団の健康やコミュニティの話になっていきました。

ソーシャル・キャピタルという概念も初めて聞きました。

ソーシャル・キャピタル

基本的な定義としては、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のこと、と言って良い。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水平的人間関係を意味することが多い。

Wikipedia「ソーシャル・キャピタル」より引用

上下関係がはっきりしている垂直的人間関係ではなく、水平関係の繋がりが意味があると。

この時に出たジャグリングコミュニティの分類の話は面白かった。

日本のジャグリング界はざっくりと以下のようなコミュニティが出来ているという話でした。

ジャグリングコミュニティの例
  • 道具別コミュニティ(自分が扱う道具でつながる)
  • 年代別コミュニティ(◯◯世代というくくりでつながる)
  • 地域別コミュニティ(住んでいる地域のジャグラーとつながる)

そう考えると、ジャグリングのコミュニティって色んな分類が出来て面白い。

例えば、今回の4JCは大きく括ると四国ジャグラーという地域別コミュニティで集まっているわけです。

ですが、練習会になると道具別コミュニティで集まって技を教えあう場面もあれば、年代別のコミュニティでおしゃべりしているときもあるのです。

また、ジャグリングは若い子のほうが上手いので、そういう子から技を教わったりする機会もあります。

本当に小学生からおじさんまで、ジャグリングで繋がっている。

練習会でそういったコミュニティがあると意識した事はなかったのですが、言われてみると確かにそういった分類で言語化できる。

こういった水平な人間関係があることが、集団の健康という意味では良いのかもしれません。

長くなったので、パート分けします。

前半はここまで!

後編はこちら