どうも、お坊さん大道芸人のとっしゃん(@tossyan753)です。
今回は仕事論で、僕が脱ボランティアした話です。
「材料費だけ出してくれれば…」
「交通費だけ出してくれれば…」
こんな感じで仕事を受けちゃってませんか?
技能を使う仕事をボランティアで請けるのは僕は全くオススメしません。
いつまでもボランティアで仕事を受けるのは、良い事がほとんどないです。
というかボランティアは仕事じゃなく、奴隷労働です。
いつか必ず行き詰まりが来ます。
今回はボランティアから早く脱出し、仕事にする方法について書きました。
※今回の記事中のボランティアは無報酬の仕事という意味で使用しています。
僕がボランティアが嫌いになった理由
まず、僕がボランティアが嫌いになったのは理由があります。
学生時代に起こったある事件がきっかけでした。
バルーンを配るボランティア
僕は学生時代、大道芸サークルに所属していました。
学生のサークルなので、やっぱりボランティアの依頼が多かったのですが、「経験値も積めるしまぁいいか」と思い、数々の依頼に出演してきました。
そんな中、とあるお祭りで子供たちにバルーンを配って欲しいという依頼を受けました。
バルーン代だけはクライアントに負担してもらい、僕たちはボランティアで風船をひたすらひねり、犬やら剣やらをたくさん作るという依頼です。
そのお祭りはたくさんの子供がいたので、「風船は1人1本、割れても作り直しは出来ませんから大切にしてくださいね」というアナウンスをしながらバルーンを作っていたのです。
子供が喜んでくれるのは素直に嬉しかったのですが、そのときに事件が起こりました。
「俺んとこの子の風船が割れたからもう1本作ってくれや!」
ガラの悪い大人が絡んできたんですね。
ルールはルール、例外は作らない
「割れたからもう1本作ってくれ」というのはバルーンを配っているとよくある事です。
こういうときの対応も、自分の中ではマニュアルがありました。
イチャモンをつけてきたからと言って、こっそり作り直したりする甘い対応はあまりいい手ではありません。
ここで例外を作ると、ゴネたもの勝ちになって収集がつかなくなります。
何よりも、他の割れてしまった子も「ごめんね、作り直しはできないんよ」と言って我慢してもらっています。
「すいませんが、割れても作り直しは出来ないんです」
と言って、その大人にも対応したんです。
いつもなら少しのやりとりで諦めてもらえるのですが、この人は違いました。
ボランティアでなぜここまでしないといけない?
「風船の1本ぐらいさっさと作れや!ケチなやつやの!!」
「お前の顔を覚えたからな!」
何度断っても、めちゃくちゃ絡んでくるんですよ。
正直手が出そうなぐらいムカつきました。
そもそもこっちもボランティア。
善意でやっている事なので、文句を言われる筋合いはないはずです。
「うるせぇボケ!」
ぐらい言って帰っても良かったのですが、無償とは言え、請け負った仕事なので最後まで頑張りました。
終わったあとに、お祭りの運営側の方からは謝られましたが、僕は全然腑に落ちませんでしたね。
子供たちが喜ぶと思って無償で働いたのに、嫌な思いをして何やってんだろ?
この時間バイトした方がよっぽど良かったんじゃない?
この事件以降、そんな考えが頭から離れなくなりました。
ボランティアへの不満爆発
その日家に帰ってうじうじと考えていると、さらにボランティアへの不満はどんどん膨れ上がってきました。
「そもそも結構な時間をかけて習得した技術を披露してるのに無償ってどうなのよ?」
「今回のは完全に絡まれ損だわ!ほんとお金もらわないとやってられん!」
「なんで喜んでもらえると思って行ったボランティアでこんな嫌な思いをせないかんのじゃ!」
そんな事を考えているうちに、結論が出てきました。
せめてお金が貰えていたら、自分への言い訳は出来たという事です。
嫌なことがあっても「ま、お金は貰ったし」というのがあれば、しょうがないで済ませれるんですよね。
ヤケ酒も飲めますしね笑
脱ボランティア
この事件のあとから、僕はボランティアで仕事を受けるのはヤメにしました。
たぶんもう1回同じような事件が起こったら、僕はもう再起不能になる。
そんな確信がありました。
ジャグリングもある程度うまくなってきましたし、人前でそれなりにショーが出来るようになっていました。
もうボランティアはやめよう、仕事として、お金は少なくても必ずいただこうと決意しました。
そして僕は脱ボランティアし、お金をいただき、仕事としてパフォーマンスをするようになりました。
そしてお金をいただくようになってからは、こんな変化があったんです。
お金をいただくようになってから責任感が生まれた
ボランティアをやめてからは、それまでにあった甘えがなくなり、お金をもらっているからにはしっかりやらないと!という責任感が生まれました。
ボランティア時代には自分のやりたい技を披露するという意識しか持っていませんでしたが、お金をもらうようになるとクライアントの要求に応えなければという意識に変わりました。
クライアントはイベントを成功させる事を求めています。
つまり僕の仕事は楽しい時間を作る事になるんです。
そのために演技の構成、しゃべる内容をしっかり考えるようになりました。
お金をいただくのは最初はとてもプレッシャーがかかりましたが、そのお陰でショーをする技術が上達したと思います。
道具にお金をかけられるようになった
ジャグリング道具以外にも、カバンや衣装など、パフォーマンスをやっていくためにはたくさんの道具が必要です。
消耗品はいちいち買わないといけないし、PAセットなどの大きな音が出る音響機材も必要になってきます。
音響機材って一通り揃えるのに10万円ぐらいはかかるんですよね。
それをどうやって捻出するかというと、やっぱりパフォーマンスで稼ぐしかないんですよね。
ボランティアでやっているといつまで経っても道具が買えません。
もしくは仕事をしてその給料で機材を買って…なんて事をしていると、いつか「何やってんだろ、俺」ってなりますよ。
いい道具を揃えると、もっと良いショーができるようになります。
ボランティアをやめてから、僕はいろいろな道具を買うことが出来るようになりました。
お金をいただく事で信頼が生まれた
無料で仕事をしていた学生時代は、今思うとやっぱりどこかナメられていましたね。
呼ぶ側も無料だから呼ぶのであって、僕だから呼んでくれるという事はなかったわけです。
無料で引き受けた仕事は、結局のところ「自分の技術には価値がありません」と言っているようなものです。
有名人なミュージシャンのライブのチケットが高いのは、確かな技術があり、満足度が高い演奏を聞かせてくれるからチケット代も高価なのです。
お金をいただくようになってからは、仕事に責任をもつようになりましたし、結果としてクライアントからの信頼も生まれました。
「またお願いするね!」
と言ってもらえたときは本当に嬉しいですよ!
まとめ:ボランティアからは早く卒業しよう
人前でショーをした経験がなければ、最初はボランティアで請け負うのも構いません。
ただ無償で請けるのは、ある程度の期間までと自分の中での締め切りを決めておいた方がいいです。
僕も地元に戻って最初の1年は宣伝のために無料で受けた事もありましたが、今ではどれもお仕事としてお代を頂いています。
ボランティアで仕事を受けていると、いつまでたっても成長はありません。
ビジネスとしてやっていくなら、脱ボランティアを意識した方がいいですよ!