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『魔女の宅急便』のパイ嫌いの娘の気持ちが分かってきた件

どうも、お坊さん大道芸人のとっしゃん(@tossyan753)です。

大人になって子どもの頃に見ていたアニメを見返すと新たな発見がありますね。

最近分かってきたのが、『魔女の宅急便』のパイ嫌いの孫娘の気持ちです。

これ、実は孫娘悪くないんじゃないの?

「私このパイ嫌いなのよね」

有名なセリフなのでご存知だと思いますが、一応場面を説明します。

宅急便をはじめた主人公キキが、おばあさんに出会い、遠くに住む孫娘にパイを届けて欲しいと。

焼き立てを届けたいとの事で、パイ作りを手伝うキキ。

そして完成した「ニシンのパイ」。

届ける途中で雨も降ってきますが、なんとか孫娘の家までたどり着きました。

玄関でおばあちゃん特製のパイを渡しますが、孫娘はまったく喜ばずむしろ嫌そうな感じ。

そしてトドメの一言が、

「わたしこのパイ嫌いなのよね」

この〜!おばあちゃんがお前のためを思って焼いてくれたパイをなんて言い草だ!!

幼少期、僕はこの子が嫌いでした。

でも、大人になった今になって思うとこれは孫娘サイドもあんまり悪くないんじゃないか?という感じになってきたのです。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな話です。

 

パイってデザートを想像しないか?

僕はアップルパイなどの甘い系のパイは食べた事もありますが、魚のパイは食べた事がありません。

もし僕が子どものときに「おばあちゃんからパイが届いたわよ〜」なんて聞かされたら、

ほぼ確実にデザートだな!と思いますよ。

「やっほぅ!甘いものが来たぜ!

おばあちゃんありがとう!!」

な〜んて思っていたときに、ニシンのパイとかいうおかず系のパイが届いたら、目に見えてがっかりしたと思います。

というか大人の今でもニシンのパイが届いたら困惑しますよ。

この時点で孫を喜ばせたいというおばあちゃんの思考回路は少しズレていると言わざるを得ませんね。

 

ニシンのパイは美味しいのか?

さて、次に検討すべきは「ニシンのパイ」とやらははたして美味いのか?という問題です。

僕は魚のパイを食べた事がないので検討材料がないのですが、ここは孫娘のセリフからもう一度考えてみましょう。

「わたしこのパイ嫌いなのよね」

これは一度はパイを食べたことがある人のセリフですよね。

そしてそのときに口に合わなかったという事が容易に想像できます。

恐らくこのような流れがあったのでしょう。

おばあちゃんがパイを焼いてくれた!!

魚のパイかよ!!(テンションが下がる)

しかも美味しくない…(テンションもっと下がる)

 

きっとこんな事があったはずなんです!

それなのに、またパイを送ってこられたらそりゃ悪態のひとつも言いたくなりますよ!

しかも孫娘は去り際にこんな事もつぶやいています。

「だからいらないって言ったのよ……」

あぁ!もうおばあちゃんに伝えてるじゃん!

孫娘全然悪くない!

むしろ子どもならこのぐらい素直であって欲しい!!

 

実はどこにでもある問題

さて、こういうのって実はどこにでもある問題なんですよね。

相手のためを思った行動が実は全然喜ばないパターンのやつ。

おばあちゃんサイドとしては孫を喜ばせたい気持ちでやっている行動です。

しかし受け取る側は別段いらないっていう…。

美味しくないものを送ってくるのはやめて欲しいのですが、優しい子ほどそれを伝える事が出来ないんですよ。

おばあちゃんに悪いと思っちゃう。

こういう関係、みなさんの周りにもありませんか?

孫のために買ってきた服がセンスと違うとか、

子どものために用意したおかしいセンスのお菓子とか。(おもしろいダジャレ)

日常生活でも、そういった微妙なすれ違いというのは起こってしまうものなのです。

魔女の宅急便のパイのシーンってすごい印象に残るのですが、実は日常でもよくある話なんですよね。

 

仏々相念

仏教には仏々相念(ぶつぶつそうねん)という言葉があります。

仏さま同士では、何も話さなくても、思うだけで心が通じ合えるそうです。

一方私たち人間はどうなのかと言うと、言葉を尽くし、どれだけ話し合っても究極的には分かり合うことができません。

どうしても誤解があったりして、人間同士が100%わかり合うという事は不可能なのです。

「大好きな恋人と結婚したけど、この人じゃなかったわ」みたいな話もそうですよね。

魔女の宅急便のパイのシーンは、そういった人間の本当の姿を教えてくれているのです。

 

分かりあえないからこそ分かりあう努力を

人間同士は究極のところ、分かりあえません。

しかしだからと言って、分かりあえないからもうや〜めた!というのも寂しい話です。

やっぱり、分かりあう努力はし続けるべきでしょう。

自分の考えが正しいと慢心せず、相手の事を考えるのです。

人間同士では、やっぱり相手に聞くというのが1番なのではないでしょうか?

魔女の宅急便では、おばあちゃんは孫娘に何のパイが欲しいのかを聞けばいいんです。

孫娘は好きなものを答えておけばいいんです。

そうすれば、あの場は丸く収まったんじゃないのかなぁ?と思うわけですよ。

 

まとめ

最近魔女の宅急便のシーンと似たような事があり、「あ、あのときの孫娘と俺は今同じ気持ちだ!」と思い、勢いで書き始めたらなぜか最終的に法話のような話になってしまいました。

贈り物って難しいものですよね。自分が貰って嬉しいモノを贈るのもいいですが、相手の好みもありますからね。

こういうブログで自分の好きなものを発信しておくのはそういった意味でもいいかもしれないですね。

 

僕はバームクーヘンが好きです!!