どうも、お坊さん大道芸人のとっしゃん(@tossyan753)です。
今回は後編になります。
前編はこちら↓
ジャグリングのソーシャルイメージを探る
第3部は「ジャグリングのソーシャルイメージを探る」というテーマで話し合い。
モデレーターは愛媛ジャグラーのkanjinくん。
パネラーは、4JCゲストの小林智裕さん(2回目の登壇)、
丸亀市産業文化部の松岡弘樹さん、
瀬戸内サーカスファクトリーの田中未知子さん。
最初はソーシャルイメージってなんぞや?というところから。
この言葉はググってもよく分からなかったんですが、社会的なジャグリングやジャグラーのイメージを語り合うって感じだったように思います。
このセッションも非常に興味深いものでした。
ジャグリングの対話
まずは、サーカスファクトリーの田中未知子さんのお話。
ジャグリングは以前はパッシング(2人以上でパスしあうジャグリング)など、外向きのエネルギーがある演目が多かったが、2010年頃からなんとなく内向きのエネルギーというか、そういう方向に向かっていて、対話型のような演目が減ってきた。現代サーカスと組み合わせにくい印象がある、というような話をしていました。
これは僕も肌感覚としては分かる気がしていて、なんとなくオシャレなんだけど、どこか暗いというか大人しい演目が増えているような気がします。
「日本のジャグラーと現代サーカスを組み合わせにくい印象があるが、それを良いとは思っていない、どうにかしたい。」というお話でした。
ジャグリングで対話をするとなると、相手方にもそれなりにジャグリングの素養が必要になります。
なんか上手い表現方法がないものか…。
新しいジャグリングの表現に期待したいですね。
ジャグラーは話が上手な人が多い
続いて印象に残ったのは、丸亀市産業文化部の松岡さんがお話したジャグラーの集まる場についてのお話。
「ジャグラーは話をするときに内容がまとまっていて、上手に話す人が多い印象がある」というのにビックリ。
僕はジャグラーをそういう風に捉えたことがなかったので、とても新鮮でした。
そうか、俺は話が上手かったのか〜笑
恐らくですが、これはジャグリングの練習の特性にあるのかなと思います。
練習のPDCAを回す中で言語化をする
ジャグリングという競技はほとんどの方が独学でやっている競技です。
先輩から教えてもらうなどもありますが、技を習得するには以下の流れが必要になります。
- まずは技を見て、技の構成を理解する
- 見よう見まねでやってみる
- 練度を上げる
この1の技の構成を理解する段階で、どうしても言語化して頭で動きが理解できていないと、次の見よう見まねでやってみるまで到達出来ないんですよね。
「ここでリキャプチャして、足の下を通しながら投げるのは身体の右側で…」
みたいな感じで、構造を言葉にして動きを理解していきます。
あとは、技を教える頻度も関係しているのかもしれませんね。
教える機会が多いと、言語化する習慣も多い。
ジャグリングをやっている人は、構造の言語化や教える機会が多いので、みんな比較的言語化が上手なんでしょうね、たぶん。
社会課題解決としてのジャグリング
あとは、松岡さんのお話でもうひとつ面白かったのが、引きこもりの方にジャグリングをやってもらった話。
この時のジャグリングはパッシングの要素が多く、たぶんキャッチボール的な動きだと思うのですが、「人と目を合わせられない人が、ジャグリングでパスをするとなるとそっちを見ざるを得ない。そういった効果がジャグリングにはある」というお話だったと思います。
コミュニケーションツールとしてのジャグリングというのは、引き出しの一つとして持っておくと良いかもしれませんね。
田舎の課題はアクセスポイントが少ないこと
続いては課題面。
特に言われたのが、ジャグリングへのアクセスポイントが少ないということ。
ジャグリングを体験して「面白い、もっとやりたい」となったときに、その後どうしたら良いのか分からない。
ジャグリングとつながる手段がない、見つからないというのが田舎の課題。
こういう時に定期的な練習会があるとか、身近に聞ける人がいたら良いんでしょうね。
ただ、僕が体験会などで教えている側の体感としては、3個をちょっと投げれたら満足してしまって、次につながらない人も多い印象です。
アクセスポイントを増やすのと同時に、なぜ3個投げれたら終わるのか?
みたいなところも議論してみたいです。
生涯現役を目指して
最後のセッションは「生涯現役を目指して」というテーマ。
モデレーターはjugglerA→G。
パネラーは、小林智裕さん(3回目登壇、働かせすぎぃ)
サーカス系パフォーマーのタカシェンカさん(オンライン参加)
JJF2024実行委員長のクロ助さんの3名でした。
生涯現役というテーマでしたが、現役の定義、はたまた練習方法や身体のケアまで、色々と気になるお話が聞けました。
ジャグリングは生涯現役で出来るか?
まずは僕の現役感ですが、僕自身はジャグリング自体はまだ上達しています。
ですが、脂が乗っている時期は終わったのかなという感覚もあります。
これは決して悲観しているわけではなく、ジャグリングはいくつになっても楽しめる趣味だと思っているので、その変化をこれからも楽しんでいきたいなと。
高齢者にお手玉をしてもらった事もありますが、意外とみなさん出来ていますしね。
今のところ辞める予定もないですが、生涯スポーツとしてのジャグリングを広めていきたいです。
違和感のある練習は長くしない
途中からは、練習方法についても話題が出ていました。
トップジャグラーの練習方法を聞けるのは貴重な機会でした。
まずはアップをちゃんとする事。アラフォーは本当にやってない動きを急にすると怪我します。
そして、ナンバーズなど体力を使うものは序盤に練習する。
後は無理はしない事。
違和感や調子がおかしい時は、ムキになって何度もやらずに悪いイメージを引きずらないようにするなどは取り入れようと思いました。
自分なりの方法論を作っていくのも練習の楽しみのひとつかも知れませんね。
ナンバーズは若いうちに
質問の場面で出たのは「若いうちにやっておいた方が良いことはありますか?」という問い。
これに対しては、ナンバーズ(道具の投げる数を増やす)をやっておいた方が良いという答えがありました。
これは僕も同じ感想で、7ボールとかは年々しんどくなってきている感じがあります。
若いうちに習得しておくと、40〜50歳でも出来ると思いますが、40歳ぐらいから習得しようとするとかなり厳しいんじゃないかな?
若者よ、ナンバーズをやれ!
練習会はやるべき
後は、練習会は積極的に開いたりするのも良いんでしょうね。
社会人になっても続けるのは練習会があったり、フェスティバルがあるっていうのも大きな理由になると思いました。
やっぱり集まって練習するとか、他のジャグラーと交流する機会があるのは大事!
同業者がいるときの練習はやっぱり捗るというか、上達が早い気がします。
今までは子供が小さくてあまりそういう事が出来なかったけど、今後は丸亀練習会や、高松練習会なんかも積極的に開いていきたいかな。
まとめ:非常に有意義な会でした
今回の四国ジャグリングコミュニティMeet-up1ですが、とても有意義でめちゃくちゃ考えるヒントの詰まった会になったと思います。
ジャグラー同士が集まっただけでは出来ない話や、外部の人から見たジャグリングのイメージなどは本当に面白かったし、言語化が進みました。
競技の有用性、健康へのジャグリングの関わり方、ジャグラーの特性、いつまでジャグリングを続けるのか。
他にも派生したヒントがたくさんありそうです。
改めて今回主催した松葉川健一さん、お疲れ様でした。
今回のアウトプットに辺り、彼が紹介していた本も読みました。
これを踏まえるとアウトプットもがんばろうと思うので、参加者で読んでない人はこちらも読んでみると面白いとおもいますよ。