どうも、お坊さん大道芸人のとっしゃん(@tossyan753)です。
一人前のお坊さんって何なんでしょうか?
うちのお寺は浄土真宗なんですが、浄土真宗は教義的に修行はありません。
なのでこの修行をクリアしたから一人前だ!という基準もありません。
髪も伸ばしてOKだし、僧侶も一般の方も何も変わりませんよというスタンスです。
しかしうちはお寺なので、やっぱり僕は僧侶なんです。
お寺を護持運営し、仏教をひろめるのが僧侶の役目です。
そうなったときに一人前のお坊さんっていうのはなんなのか?というのが今回のお話です。
教団的な一人前の定義
一人前の定義は色々とあると思いますが、浄土真宗の僧侶の仕事は大きく2つあります。
それが勤行と法話です。
勤行
1つはきちんとお勤めが出来る事です。
お勤めは、お経などを読むのですが、淡々と読むものもあれば、声明(しょうみょう)という歌のように読むお勤めもあります。
こういったお勤め、作法などが一通りきちんと出来るというのが一人前の条件でしょう。
法話
もう1つはきちんと法話が出来る事です。
法話というのは、仏教の教えを分かりやすく伝える事です。
お経は漢字ばっかりなので何が書いてあるのか分かりません。
勉強を積み、経典の内容を分かりやすくお話をするのも浄土真宗の僧侶の役目です。
日常業務に必要なスキル
この勤行と法話の2つがきちんと出来るのが、一人前の浄土真宗の僧侶でしょう。
ただし、お寺を運営してくためにはそれ以外のスキルも必要になってくるんです。
ここからは日常業務に必要なスキルをご紹介します。
ソースは先輩のお坊さんから聞いた話と僕の実感です。
電話の声を聞いただけでどこの誰かが分かる
お寺には檀家さんからの電話が掛かってきます。
一人前のお坊さんは、「もしもし」という電話の声を聞いただけでどこの誰かが分からないとダメなんだそうです。
無理ゲーすぎる。
最近は番号が表示されたりするので、どこから掛かってきているかが分かるようになりましたけどね。
出来ればお参りの連絡などはSNSなんかでやり取りできるようになって欲しいです。
習字が上手い
お坊さんは筆で字を書く場面が結構あります。
位牌とか、掲示板の張り出しとかはやっぱり筆で書いた方がいいですからね。
そして何よりプレッシャーなのが一般の方の「お坊さんだから字も上手いよね!」という思い込みがあること。
そんな事ないよ!
字が上手いお坊さんは人知れず練習をしているはずです。
「上手な字がかけるはず」という期待に押しつぶされている僧侶は僕を含め結構多いので、温かい目で見て欲しいですね笑
記憶力がいい
記憶力も一人前の僧侶には必要です。
檀家さんの家の場所、家族構成、2、3年前の法事の話を覚えておく必要があるのです!
ちなみに僕はこういうのがかなりダメです。
人の顔がさっぱり覚えられません。
法事のときの食事の席などでも、親戚関係も把握しているだろう前提で話が進んでいくんですが、実は僕、どこが本家とかそういうのはほとんど分かってないんですよね。
本当にすいません。でも分からんのよ…。
兄貴がこういうのが得意なので、全て任せてしまっています。
記憶力繋がりで、家の場所を覚えておくのも大事です。
これも方向音痴の僕にはキツイのですが、最近はグーグルマップがかなり優秀なので助かっています。
運転技術
お坊さんは車の運転技術にも長けていないといけません。
古いお家がある地域だと車の事を考えていない幅の道路が多いので、たまにとんでもない運転技術を要求されます。
ブロック塀や石垣に囲まれた細い道の奥とか、ここ車入れるの?なんて家にも行かなければいけません。
何度も切り返し、たまには車から降りてぶつからないか確認しながらなんとか停める。
車を擦っているようではまだまだです。
お坊さんにはそんな細い道を突き進む運転技術も必要なのです。
う〜ん、スクーターが欲しい。
まとめ
お坊さん業界は40代でも若手と呼ばれる世界なのですが、やっぱり一人前になるというのはなかなか難しいですね。
というか記憶力に難のある僕が一人前になるのはかなり難しい気が…。
まぁどんな人でも自分の人生をまっすぐに生きられるようになるのが仏教の教えなので、一人前を目指して日々がんばっていくしかないんでしょうね。
しかしほんと車を擦ったのはショックだわ。